取り寄せおつまみレポートー国産黒毛和牛(伊萬里牛)ハンバーグと日本酒の相性は？

自宅でくつろぎながら晩酌をする昭和生まれの自称「左党（さとう）」が、実際に全国各地から取り寄せた「酒」や「肴」を食して紹介。読者の皆様の晩酌タイムを『今日も幸せな一日だった』と感じられる時間にする、お手伝いブログです。

なお、本文中の感想や意見、評価は筆者の主観によるものであり、全ての方に当てはまるものではありませんことをご理解ください。また、商品そのものに個体差があることもご承知おきください。
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今夜の前振り

今夜の肴　松尾勝馬牧場の伊萬里牛ハンバーグ

松尾勝馬牧場の伊萬里牛

『伊萬里牛』は、佐賀県伊万里市に肥育数５頭からスタートした松尾勝馬牧場が商標権を持つ黒毛和牛で、その９０％以上がＡ４～Ａ５等級の高い評価を受けている。
この松尾勝馬牧場は、３０年以上にわたって地元伊万里市などに焼肉・ステーキ店を展開しており、そこから得られる情報や、牧場主自らが食して感じた思いを肥育にフィードバックすることで「お腹いっぱいに食べられる」美味しい肉質を作り上げている。

黒毛和牛のＡ４等級やＡ５等級は、美しいサシ（霜降り）や『とろける』ようなやわらかい食感が人気とされているが、ともすると、最初のひと口で「もう十分」と感じてしまうこともある。なにを隠そう、この酒向も年齢と共に牛肉は赤身とホルモンしか受け付けなくなっている。
松尾勝馬牧場の伊萬里牛は、Ａ４・Ａ５等級であっても、身体が肉を断らない『量を食べられる』美味しい肉というのだから、俄然興味が湧くというものだ。

本来ならば、その「お腹いっぱい食べられるお肉」を厚めにカットされたステーキで食したいところだが、肉は鶏肉とひき肉しか食べられない家内を慮って、今回は泣く泣くハンバーグを取り寄せることにした。

商品の注文から到着まで

松尾勝馬牧場のホームページ

松尾勝馬牧場のホームページは華やかで、最初に目に飛び込んでくるのは鮮やかな牛肉の赤だ。自動でスクロールされる画像はその時々で内容が変わるようだが、いずれの写真を見ても美味しそうで食欲をそそられる。肉好きの読者の皆様には、かなり刺激が強いものになると思う。

商品選び

ページをスクロールしていくと、『ステーキ・焼肉・ホルモン部門』や『すき焼き・しゃぶしゃぶ・鍋物部門』などのカテゴリー別の人気ランキングが並んでいる。また、左側のサイドバーには『食べ方から選ぶ』『ライフシーンから選ぶ』『部位から選ぶ』といった具合に、検索軸が複数示されているので、自分に合った方法で選ぶことができる。

すでにハンバーグを購入することが決まっていたが、肉好きの酒向としては、あれもこれも見入ってしまう。どの写真も美味しそうに見えるため、思いとどまるのに一苦労だった。

商品の注文ページはいたってシンプルなため、購入する品が決まっていれば、ページを見ながら順番に進めていくことができる。

今回、酒向はハンバーグを注文したが、ソースは別売なので注意が必要だ。自宅でソースを作るという選択肢もあるが、簡単調理を旨とする当ページとしては、お店の用意した特製ソースを利用しない手はない。

送料は、佐賀発で地域別の設定となっている。すべてクール便となるため、相応の料金設定だ。また、商品代金の合計が１０，０００円（税別）を超えると、送料はお店が負担してくれるので上手に利用した方が良いと思う。

梱包状態

ヤマト運輸のクール便で届いた商品は、冷凍状態がしっかりと保たれている。箱の大きさは６０サイズ相当。

箱には封緘シールが貼られており、黒パッケージに銀の箔押しと相まって高級感を演出している。箱を開けて最初に目に入ったのが、伊萬里牛についての案内パンフレットだ。その下に、緩衝材に包まれたハンバーグと別添えのソースが整然と並んでいる。ハンバーグもソースもカチカチに凍っていた。

食べる日の前日から冷蔵室で解凍するのがおススメとのことで、半分を冷蔵室、残りを冷凍室へ。

調理について

簡単調理

調理はフライパンで焼くだけ。箱に入っていたパンフレットに、調理方法が記載されていた。

1. あらかじめ、熱してあったフライパンに解凍したハンバーグをのせ、強火で焦げ目がつく程度に焼く。
2. 蓋をして中火で２分ほど。ひっくり返して中火で２分半、両面に焦げ目がつくぐらいに焼く。
3. 火を止めて器に盛る。
4. 別添えのソースを適量のせる。

焼いている途中、ハンバーグからかなりの量の脂が出てくるので、余分な脂をキッチンペーパーで取りながら焼くと良いと思う。

伊萬里牛ハンバーグの味はいかに？

ハンバーグの商品紹介ページには、次のような説明がなされている。
「佐賀・国産黒毛和牛 伊萬里牛(伊万里牛)のももやロース、バラ肉などステーキや焼肉でも食される部位を使用しています。お肉本来の旨味をしっかりと味わえる佐賀・国産黒毛和牛 伊萬里牛(伊万里牛)100％の手作りハンバーグです。つなぎとなる卵や牛乳を使用していない低アレルギー商品です。」

ハンバーグの原材料表記を見てみると、『牛肉（伊万里産）』『玉ねぎ』『パン粉』『食塩』『ブラックペッパー』『ガーリックパウダー』『ナツメグ』となっている。シンプルで「肉そのもの」の味で勝負している感じだ。ゆえに、焼いているうちに縮んでくるのは致し方ないところだ。

＜見た目・香り＞
見た目はふっくらとしており、肉汁が湧いてくる感じが美味しさを予感させる。程よい焦げ目が香ばしく薫り、上手に焼かれた質の良い牛肉という感じだ。大いに食欲が湧いてきた。

＜食感・風味＞
箸を入れると、サクッとやわらかく切れる。ひと口食べてみると、機械でミンチにしたというよりも、包丁でたたいて挽肉にしたような粗挽き感が残った肉質で、ハンバーグというよりも肉を頬張ったような、しっかりとした食べ応えのある食感だ。脂はさっぱりしていて、重たくならない。ソースに含まれたショウガとにんにくの香りが、それをさらに後押ししてくれる。

なるほど、「お腹いっぱい食べられるお肉」の一端を垣間見た感じがする。肉好きにはたまらなく美味しいハンバーグだ。

ソースが別添えでハンバーグの味付けもシンプルなので、『我が家の味』があるご家庭は、自家製ソースでもきっとおいしくいただくことができると思う。

今夜の酒　鹿野酒造の常きげん山廃純米

今夜のペアリングポイント

日本酒は優れた食虫酒で、どのような料理にも合うが、より一層美味しく楽しむために次の４つのコツがある。
◇調和（似た者同士）
◇補完（足りないものを補う）
◇中和（強すぎる味を打ち消す）
◇相乗（美味しさが増幅する）

今回の伊萬里牛のハンバーグには、黒毛和牛の脂みを山廃仕込みの酸味が洗い流し（中和）、肉の旨みと米の旨みが絡み合って更に美味しさを生むこと（相乗）を想定して、『常きげん 山廃純米酒』を選んだ。

鹿野酒造の常きげん

今夜の酒は鹿野酒造の『常きげん 山廃純米酒』。その名の通り、伝統的な山廃仕込みの純米酒で、その独特の製法と風味が魅力だ。

鹿野酒造は、石川県加賀市の文政２年（１８１９年）創業の歴史ある酒蔵。伝統的な手法である“山廃酛”を使用した日本酒造りを得意としている。
ホームページによると、「鹿野酒造の酒蔵に一番ふさわしい酒米を知るため、自社の田んぼで酒米山田錦を作り、この地にずっと湧き出して古くから親しまれてきた『白水の井戸』を使用している」とのこと。日本酒好きには、たまらなく魅力に感じるストーリーで、すぐにでも飲みたいとの衝動に駆られる。

常きげん 山廃純米酒を購入できるところ

常きげんは老舗の蔵元ということもあり、広く流通している。酒向は近所の酒類専門店で購入した。蔵元でも直販をしており、もちろん、楽天市場などのＥＣモールでも購入可能だ。

常きげん山廃純米酒の飲み口

常きげん山廃純米は、穏やかな香りで派手すぎず、米のナチュラルな香りが「これからうまい純米酒を飲むぞ」という心境にさせてくれる。

口に含むと、辛口ではあるがコクがあって米の旨みを感じる。ほどよい酸味が、山廃仕込みの天然の乳酸を否応なく意識させる。なかなか美味しい酒だ。

料理と酒の相性

伊萬里牛ハンバーグと山廃純米

伝統的な山廃仕込みの純米酒と、欧米文化の象徴のようなハンバーグは果たして合うのだろうか？

ハンバーグを口に運び、山廃純米でながす。伊萬里牛の香ばしさと脂の甘さを、山廃純米の程よい酸味がスッキリと洗い流す。再度ハンバーグをつまみ、山廃純米でながす。純米酒のコメの旨みに、伊萬里牛のコクと旨みが絡み合う。

これが俗に言う『マリアージュ』というやつか。まるで、日本人の誰もが好きなハンバーグと白飯を同時に含んだような、最高のペアリングを感じ、至福な時間が流れる。

次々にグラスと箸が進んでしまい、これは飲みすぎ確定だ。明日の朝、無事定刻に起きられるか心配だ。

まとめ（酒向進の超主観的評価）